鎌倉の花まつり(灌仏会)は、4月8日にお釈迦様の誕生を祝う古くからの仏教行事です。
私が実際に参拝したときも、境内には花御堂が飾られ、誕生仏に甘茶をそそぐ参拝者の姿が朝から途切れませんでした。
甘茶の香りがふわっと漂い、春の柔らかい光と相まってとても穏やかな雰囲気でした。
この記事では、鎌倉で行われる花まつりの様子や、実際に参拝した際の体験を交えて、行事の流れや見どころを紹介します。
鎌倉 花まつり(灌仏会) とは
鎌倉 花まつり(灌仏会)は4月8日のお釈迦様の誕生を祝う仏教行事で「灌仏会」「降誕会」とも言われてます。
日本における灌仏会(かんぶつえ)の起源は、『日本書紀』推古天皇十四年(606年)四月八日の記述に見ることができます。
この日、元興寺金堂において銅仏・繡仏の完成を祝う斎会が行われ、それ以降、各寺院で毎年四月八日と七月十五日に斎会が執り行われるようになったと記されています。
この「設齋(せっさい)※1」は、灌仏会と孟蘭盆会(盂蘭盆会)にあたるものと考えられています。

※1 設齋 (せっさい):
▶ 仏教の行事で、仏や祖先のために斎(さい・清め・儀式)を行うこと
▶ お寺で行われる法要・供養・祭礼の意味合いがあります
▶ 特に古代日本では、仏像の完成や特定の日に行う儀式のことを指すことが多いです
奈良時代には、花御堂に誕生仏を安置し、五香水を注いだことも伝えられており、灌仏会が古くから行われてきた行事であることが分かります。
日本に仏教が伝来した時期については538年説と552年説がありますが、いずれにせよ推古天皇の時代には仏教が広く受け入れられており、灌仏会が行われていたとしても不思議ではありません。
灌仏会は、華やかに飾られた花御堂の中で誕生仏に甘茶をかけ、甘茶を振る舞う行事で、特に子どもたちに親しまれてきました。そのため、近年になってから「花まつり」という呼び名が使われるようになったとされています。


「花まつり」という名称の由来については諸説あり、お釈迦様が花咲くルンビニーの花園で誕生したことに由来するという説や、1901年にドイツへ留学していた近角常観が、ドイツの「Blumen Fest」を「花まつり」と訳して日本に紹介したという説があります。
この行事で誕生仏に甘茶をかけるのは、甘茶に特別な意味が込められているためです。中国には「為政者が善政を行い平和な世が訪れると、甘い露が天から降る」という言い伝えがあり、インドには「甘茶は神々の飲み物で、飲めば不老不死になれる」という伝説があります。
つまり、甘茶をお釈迦様にかける行為は、敬意と信仰の象徴であると言えますね。
出典:京都芸術大学通信教育課程 「【和の伝統文化コース】四月八日のお花まつり」 2021年03月19日
重要な仏教行事として3つあります。
鎌倉 花まつり(灌仏会)をしているお寺
鎌倉には「花まつり(灌仏会)」をしているお寺は数ありますが、そのなかでいくつかをご紹介いたします。
特に祭事がない場合は、拝観時間に参拝すれば大丈夫です。
極楽寺
本堂の前には花御堂が設けられ、お釈迦様が安置されていますので、
お参りをして甘茶をかけましょう。参拝者への甘茶の振る舞いもあります。
私が参拝したときも、朝から次々と参拝者が訪れ、甘茶の香りがふわっと漂う境内はとても穏やかな雰囲気でした。



極楽寺は4月の花まつりと同時期に普段は非公開の忍性墓も公開しています。
忍性上人と三代長老・順忍の墓塔である五輪塔が静かに佇んでおり、花まつりの日だけはその姿を間近で見ることができます。
実際に拝観した際も中世鎌倉最大級といわれる五輪塔の大きさと存在感に圧倒されました。
そちらは下記ブログで紹介していますのでぜひご覧ください。
👉 2026.4.7-8 極楽寺の特別拝観 |秘仏公開・花まつり・忍性御廟参拝の2日間
満福寺
腰越にある満福寺でも「花まつり」が開かれています
私が参拝したときは、本堂の前に花御堂がひっそりと置かれていて、ご本尊様に手を合わせたあと、誕生仏に甘茶をかけさせていただきました。
派手な行事が行われているわけではありませんが、この素朴で静かな花まつりの雰囲気が、かえって心に残りました。



4月18日には義経まつりも開催されます。
妙本寺
妙本寺の本堂前には花御堂が置かれていますので、こちらで誕生仏に甘茶をおかけしましょう。
この日に限り、本堂正面に花御堂が用意され、産湯とされる甘茶を誕生佛にかけて供養します。
10時からは釈尊御降誕会法要も行われます。私が参拝したときも、境内はとても静かで、花まつりの日でも妙本寺らしい落ち着いた雰囲気に包まれていました。
甘茶の香りがふわっと漂い、本堂前で手を合わせると心がすっと整うような感覚があります。



妙本寺は普段からひっそりとしていますが、とても人気のあるお寺で、訪れるたびに心が落ち着きます。
境内を歩いていると、結婚式の前撮りをしているカップルとプロカメラマンに出会うこともあり、その光景も妙本寺らしい穏やかさを感じさせてくれます。
建長寺
建長寺では、法堂に花御堂が置かれ、一山の僧侶が集まって法会が行われるとされていますが、私が参拝した2022年4月8日は、特に法会が行われている様子はありませんでした。
ちょうどコロナ禍の時期だったため、この年は規模を縮小していたのかもしれません。
建長寺は普段から参拝者が多いお寺ですが、花まつりの日は意外と静かで、ゆっくりと境内を歩きながら季節の移ろいを感じることができました。



建長寺ではその他にも数多くの年中行事が執り行われます。
いくつかをブログで紹介していますので、ぜひご覧ください。
👉 2026年2月3日 鎌倉 節分祭 |建長寺・長谷寺・八幡宮・鎌倉宮を巡る一日
長谷寺
10時より 釈迦像前で法要が行われ、参拝者への甘茶の振る舞いもございます。
法要の後には、琴演奏家 林信子氏と尺八奏者 善養寺惠介氏による奉納演奏を予定されています。

光明寺
写経:10時00分~
法話:13時00分~
法要:14時00分~

円覚寺
仏殿、10時から、見学可能
仏殿の中央に、お釈迦様がお生まれになったルンビニー園をあらわす「花御堂はなみどう」と呼ばれるお堂を設け、屋根を花で飾ります。
天上天下を指さした誕生仏をその中央に安置し、柄杓で像に甘茶をかけてお祝いをします。お釈迦様の誕生を慶び、九匹の龍が現れて甘露の雨を降り注いだという様子を模して甘茶をかけます。

東慶寺
本堂前にて花御堂のお釈迦様にお参りができますと過去の情報でありますが、2026年はまだ出ていないようです。

浄智寺
玄関前や曇華殿にお釈迦様が置かれますが、年によって違うことがありそうです。

明月院
4月8日のお釈迦様の誕生日には、本堂の丸窓「悟りの窓」のところに花御堂が設置され、誰でも甘茶がかけられます。

杉本寺
本堂に置かれた花御堂に甘茶をお釈迦様(誕生仏)にそそいでお釈迦さまの誕生を祝います。

まとめ
お参りして甘茶をかけるだけでしたら、ほとんどの寺院では10時から16時の間に参拝すれば問題なく受け付けていただけます。
私が実際に花まつりの日にいくつかのお寺を回ったときも、この時間帯であれば花御堂がきちんと用意されていて、誕生仏に甘茶をそそぐことができました。
ここに載せていない寺院でも、ふらっと訪れてみると思いがけず花まつりが行われていることがあります。
ふらっと訪れたら新しい出会いが待っているかもしれません。

参考までに、紹介した寺院を順に歩いて回るとすると
円覚寺 →東慶寺 → 浄智寺 →明月院 →建長寺 → 杉本寺 → 妙本寺 → 光明寺 → 長谷寺 → 極楽寺→(江ノ電)→満福寺でだいたい14kmほど(キョリ測調べ)になりますので、1日で回れないことはない?


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